ステート・ウイズイン 第2話『イスラム教徒の拘束』

 サスペンスドラマは連続して視聴したい位なのですが、先週特番で休止という扱いだったために思い出すまでに数分かかってしまいました。NHKもこの辺は御一考願いたいものでございます。
 さて、複数の事件が同時進行しておりまして現在混沌の真っ最中でございます。今週はバージニアの身元不明の死体の素性が分かったことと、航空機爆破犯人と死刑囚につながりがあるかのようなお話、駐米イギリス大使とかつての同僚の関係、その彼の妻の死亡した理由等々書ききれない(と申しますより覚えきれない)ほどの密度でございました。
 とりあえず全ての事件が「チルギスタン」に収斂しそうですが、人種差別など別の問題も内包されておりますから最終的にどこに着地するのか全く見当が付きません。面白いです。
 脚本の質が高いことは今更書く事はありませんが、それ以上にカメラワークと演出が上手いと感じております。ひとつの場面、今回ですと駐米参事官ニコラス(MI6)がPCを扱う場面で、見た通りの意味(普通に業務として端末を扱っているという意味)にも見えましたし、なにか別の目的があるようにも見えるといったように、複数の意味を持たせているように見せるところが秀逸でした。
 ニコラス役の俳優さんは怪しげな素振りの演技をしているわけではなく、撮り方でそう見せているわけです。最終的に誤った見方を支持してようがそれは視聴者の勝手な思い込みですから制作者を非難するものではございませんし、なによりいくつかの意味を勝手に想像するだけで視聴者の緊張感が高まるという効果がございます。
 日本のTVドラマは脚本が悪いとか非難されることが多いようですが、いや、演出も学ぶべきところはまだ多いように感じてしまいました。