結城友奈は勇者である 最終話『貴方に微笑む』

大団円。
いや、結城友奈と仲間たちにとっての物語はこれで終わったわけですが、救いとして彼女たちの体が供物として奪われることがなかった事、失っていたものが戻ってきたことは良かったのですが、根本の問題は何も解決したわけではございません。
彼女たちのおかげで「後輩」たちの戦いは少しは楽になりそうですが、負けたら人類込みで世界が滅んでしまうのですから友奈たちの体がこの時点で元通りになったとしてもメデタシと諸手を上げて喜ぶ状況ではございません。
さらに、こんな強引な終わり方は納得できません!と視聴直後は考えたのですが、すぐにこの終わり方でよかったと日和ってしまいました(笑)
確かに物語としては破滅して終わったほうが収まりは良かったのかもしれませんが、一方で奇跡を望んでいたのも事実。
それが神の力ではなく自分たちの力で引き寄せた、頑張ったから奇跡が起こせたという終わり方に心底安堵させられました。
SFから御伽噺へ。
それの何処に問題があるというのでしょう。いいじゃないか幸せならば(笑)
登場人物を最低限に絞ったことで物語の広がりは制限されてしまいましたが、お話が勇者部の女の子の心理描写を丁寧に描くことに集中出来ておりまして、この辺は構成の妙、制作者サイドの勝利でございましたね。
さてこの終わり方は決して真のハッピーエンドではなく、執行猶予のついたハッピーエンドでしかございませんで、そういった意味では「次の勇者」による真の幕引きも見せて頂きたいものでございます。