繰繰れ! コックリさん 第12憑目(終)『DESTINY!』

クリスマス用のチキンを買いに出たこひなはあからさまに不審な中年男性に声をかけられて、と云うお話。
この作品に毒を感じてしまうのはこういった部分でございまして、この娘を顧みなかった男の死因を普通に病気でとか事故でとしないところですね。
まあそれですと娘と父のお別れは済んでいたでしょうから、帰ってきた時点で別のお話になってしまったでしょうから苦心したことは分かるのですが。…未だに死体が見つからないとはなんて殺伐とした背景なのでしょう(笑)
気が付いていても気付かないふりをして上がるコックリさんとこひなの優しさはしっとりとしていい出来だっただけに、この毒が一際引き立っておりましたね。
最終エピソードは大掃除と初詣。なんだかんだ言いながらもこひなの周りには「家族」が増えているようでございます。
と云う事で最終回。
明確なストーリーがある場合、1クール作品であっても語り尽くせる場合もございますが、逆にこういった作品こそ1クールでは語り尽くせないように感じてしまいまして非常に残念。
この手の作品の場合登場人物が勝手に動き出してからが本領を発揮してくれまして、1クールですと登場人物の個性を見せるだけに終始してしまい、それでは作品の面白さは十分に伝わらない不完全燃焼と考えているのでございます。
魅力的な登場人物が描かれておりますので、それぞれのキャラに合ったお話はいくらでも作れるでしょうし、それこそがこの作品をアニメとして制作する意味があるかと存じます。
ギャグやコメディだから1クールで構わないなどと考える製作陣がいるとしたら、それは勘違いも甚だしいと指摘しておきたいと思います。
こひなやコックリさんたちとまた会えるのかは分かりませんが、再会を夢見つつこの作品に出会えた幸せを噛みしめる事に致します。