京騒戯画 #05『若き三男の悩みと始まりと終わり』

明恵のお話。
分かったような分からないようなお話でございまして、断片ばかりが強調されているから全体像は薄ぼんやりとしか見えていないような。
いや失踪した「両親」と取り残された「三兄弟」の物語と理解しているのですが、その場合「コト」の存在が意味する処が分かりませんでして、一体彼女はこの作品でどんな役割を任されているのでしょうか?
と、作品を通しても不明瞭な部分がございますが、今回も「ざくろ」がどのような意味を持っていたのか分かりませんでねぇ(笑)
「駅開き」で流されたさくろとコトが口にしたそれとの関係、そしてコトの口から流れたまるで血のような果汁にはきっと意味があるはずなのですけど、今の私にはそれが何なのか理解できないのが悔しい!(笑)
ただこの作品は全ての断片が収まるべき所に収まって一枚の繪になるであろうという確信がございますので、この段階での曖昧さや掴みどころのなさは決して不快ではございません。
全体を俯瞰して構成してある作品だからこそこういう描き方が可能なのでしょうし、それがこの作品が心地よさをを感じさせてくれる所以ではないかと考えている次第でございます。
明恵にとって「外」は哀しい思い出の場所のように見えましたが、それでも彼は外へ出たいのでしょうか? 全てはこの物語が終わるまでに明らかになることでしょう。
…そして此処で旅番組を挟む東映に殺意を覚えましたよ!(笑)