京騒戯画 #03『長男と愉快で科学な仲間』

明恵と古都の三兄妹の長男・鞍馬のお話。
描かれていたもの自体はコミカルな内容と動きで楽しいものでございましたが、鞍馬の未知へのものへの憧れとそれを手にすることが叶わない悲しさ、封鎖された空間であってもそれを手にすることが出来た時の喜び、でももっと広い世界を希求してやまない感情が伝わってまいりまして、どこか悲しい印象のエピソードでございました。
父親である明恵にどこか遠慮して、それでも帰らぬ父を待つ健気さに泣く(笑)
もっともこの三兄妹の長男でございますのでただ待っているという訳ではなさそうで、父親にこの世界を返して自分は外の世界を見に行くために色々と画策しているようでもございますし、その努力が実ることを願わずにはおられませんよ。
やはりこの作品の主人公は三兄弟妹のようでございまして、両親との再会とその呪縛から解放されるまでの物語のようでございます。
次回は長女・八瀬の物語。彼女はお母さん子のようですので、古都への思慕が描かれるのかなぁ。