やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 第10話『依然として彼らの距離は変わらずに、祭りはもうすぐカーニバる。』

文化祭実行委員に居眠りしている間に選ばれてしまった八幡が会議に参加するとそこに雪乃の姿も。八幡と同じクラスの南が実行委員長になったが、彼女が奉仕部にやって来て、というお話。
全編嫌な緊張感に包まれておりまして、観ているこちらも体が硬直してしまいましたよ(笑)
ありきたりな青春映画であればどの場面でも八幡や雪乃が爆発してもおかしくはございませんでしたが、この作品はそのエネルギーを徹底的に抑えることで緊張感を高めております。
これまでは八幡を思春期にありがちなひねくれ者として捉えておりましたが、ここまで徹底しているのならこれはもう「生き方」を自分で選んだ人間の姿でございます。
人間は群れを成す生き物ではございますが、そうでない生き方を選ぶ者もいても不思議はございません。最低限の付き合いはするけれどそれ以上の関わり合いを持つことは御免被るという姿勢ですね。
それはそれで尊重して距離を取ってくれれば問題はないのですが、群れの住人は自分たちの生き方が当然と考えて、そうでない人間にも自分たちと同じ生き方を強制するかのように踏み込んで来て、それでも彼らを拒絶すると今回の生徒会長のように「キモイ」と罵倒する。
想像力が足りない。
八幡のような人間は「ぼっち」の心地良さを知っている、始めはそうでなかったにせよ現在はその生き方を肯定し受け入れているのですから、そっとしておいてあげて下さい(笑)
いやそれでも八幡は群れに入りたのか、…その答えがこのシリーズ中に出てくれることを期待いたしております。