氷菓 #9『古丘廃村殺人事件』

古典部4人による事情聴取。
…おっさんも安易に「ビデオ廻している奴が犯人!」と考えていたのですが(笑)、どうやらそう単純な問題ではなさそうですね、反省。
問題なのは「犯人は誰か?」ではなくて、万人が納得する「物語」の方なんでしょうね。つまり密室トリックを解けば解決するといったお話じゃなくて、ミステリとして成立させるためには作者の意図を解く事が古典部に課せられた使命である、…のかもしれません。
今回はその為のヒントが各所に散りばめられていたはずで、例えば映画の脚本家がテキストとしたホームズの本に挟まれていたメモ、そのメモにつけられた記号。あるいは小道具に用意させたロープや血のりの量。さらにもう一人の登場人物の確保。
これは映画の犯人にたどり着く「ヒント」であると同時に、ミステリに興味はなく自ら脚本を書く事に積極的だったわけでもないけれど「本郷真由」という人物が真剣かつ真摯にこの映画に取り組んだという「証拠」でもあるように感じられました。
このエピソードで最大の謎は「何故本郷真由は脚本を完成させようとしないのか?」でございまして、「倒れてしまった」というのが事実にしても前回入須とメールの交換をしておりましたので「犯人」あるいは「結末」だけでも知らせる事は可能なんじゃないかと。
それすらも出来ない理由は何か?
奉太郎が解かなければならない謎はそこにあるような気がしております、…してるだけですが(笑)
と、内容の感想は以上でございますが、今回もえるの描写が細かく可愛く身悶える(笑) 特に斜め45度に真っ直ぐ伸ばす挙手のポーズがなぁ…、台詞ではなく動作でえるというキャラが表現されておりまして、「京アニ」という制作会社の面目躍如といったところでございます。