へうげもの 第三十四話『日輪のクライベイビー』

左介は自信作の染付志野茶碗を持って師匠の利休と対峙するも、本質を問われて絶句してしまうの巻。
その道を極めたと考え、素人は絶賛するしかないものでも、その道の先達はそれを作った者の思想哲学を問い、「まだまだ」と諭すのでございますが、この辺のやり取りは格好良過ぎて痺れます(笑)
で、このお話はあらゆるものに通じている事を知らされる訳でございます。
技巧や正確性・独創性といったものは確かに必要でございますし、そこで十分のような気もするのですが、その先を見据えていない者が作ったもの・描いたものは感動ですとか共感を得る事は難しい、と。
深い、深すぎる。
しかし利休が左介にそう諭したという事は、弟子に見込みがあるからなのでしょうね。左介と利休では価値観が違いますが、自分とは違う価値観を作り出せそうな左介に新しい道を究めよと、エールを送っていたと申しますか、ある意味遺言を残していたように見えました。
弟子は師の言葉に考え込み、師は最後の戦いに臨もうとしておりましたが、歴史上の人物を使って物語を作っている以上利休を死なせない訳にもいかないのでしょうが、この師と弟子の数寄を巡る旅はもっと長く観たかったものでございます。
残り2話。