緋弾のアリア 第5弾『武偵憲章1条』

理子の仕掛けたハイジャックに機内で苦戦するキンジとアリア。理子は脱出し、残された二人は燃料の残りが少ないジェット機を不時着させようとするのだが、というお話。
お話の内容に多々問題があったような気もいたしましたが、これは作劇の問題でございまして、どのようなシチュエーションを用いようとも制作者側の専権事項でございますので、こちらといたしましては全部受け入れる事はやぶさかではございません。
おっさんといたしましては、作品として盛り上げるためならば多少(いや、かなりか)強引でございましても、結果盛り上がっているのであれば問題ないという立場をとっておりますので、高校生が飛行機を操縦し、難易度の高い緊急着陸を成し遂げたと致しましても、ええ全然問題ございませんともっ!(笑)
ただですね、設定自体が一種のファンタジーでございまして、まあそれ自体はどうでも宜しいのですが、どこまでを「嘘」の範囲に留めておくかというのは大事な部分かと。
「理子の特殊能力で遠隔操作をした」というのは些かやりすぎの感で、あくまでも「人の肉体の限界」までに嘘を留めておきませんと、今後「なんでもあり」の「ご都合主義」に陥ってしまわないかと心配になってしまいました。
それとですね、「政府が首都の玄関の安全第一を考えて攻撃機を出した」ところまでは問題ないと致しまして(いや、大アリなんですがw)、折角登場した戦闘機が以後キンジたちの緊急着陸に対してなんの妨害もしてこなかったというのはいただけなかった。
大嘘はいいのですが、その大嘘に説得力を持たせるためにも細部をきれいに処理しておいて頂きたかった。戦闘機を(武偵高の仲間が知恵を絞って)騙して退けた、あるいはキンジとアリアの機転で何とかしたという描写は欲しかったです。
もうひとつ。武偵高校の仲間と連携したお話でございましたが、これまでの回にそうしたつながりのある描写がなかったので盛り上がりに水を差したかと。反発でも友情でも構わないのですが(この場合は「反発していても同じ武偵」という流れの方が盛り上がったでしょうか)キンジの高校生活を描いておいたなら、と考えてしまいました。
今回で「キンジとアリアのコンビ結成編」が終了。次回からが本番かもしれません。