TIGER & BUNNY #09『Spare the rod and spoil the child.(かわいい子には旅をさせよ)』

ドラゴンキッドが親心を確認したお話。
この作品の最終到達地点はバニーの敵討ちか、ルナティックとヒーローたちの対決なのか現時点では分かりません(両方が見事に絡み合う可能性もございます)が、そうしたお話を内包しながらも独立した各エピソード内での扱いが大きすぎず小さすぎず程よいバランスなのが好ましゅうございます。
全ての事件にウロボロスやルナティックが関わっているといった風にも作れるのでしょうが、それをしてしまいますとどうしても虎徹とバニーだけにスポットが当たってしまい、他のヒーローたちの描き方がなおざりに済まされて、結果作品の奥行きが足りなくなってしまう事でしょう。
さすが「スポンサー付ヒーローもの」でございまして、均等に各ヒーローを描く事には気を使っております。…うん、そうでないとスポンサーに顔向けできませんからね(笑)
それぞれのヒーローが抱えたものが描かれてこそ一番最後の大事な時に色々と活きてくるというものでして、本作はそうした部分を丁寧に処理しているというだけで成功が約束されたも同然でございます。
いや実際これだけ個性的なキャラを揃えておりますので、虎徹やバニーが全く登場しないエピソードも成立するでしょうし、この先一本くらいはそうしたエピソードを観てみたいものでございます。
ただ今回のドラゴンキッド編は、彼女が親に反発していた具体的な事例があった方が良かったかもしれません。「反抗期」でも「寂しい」でも構わないのですが、まああの時間内にあれ以上は詰め込めなかった事は分かるのですが、若干曖昧だったことが惜しかったでしょうか。
でもドラゴンキッドに語った虎徹の親心が、実の娘にはあまり伝わっていなかったという「オチ」は、全国のお父さんたちは涙なくして視聴できない良いオチでございましたよ(笑)