こばと。第十三話『・・・天使と守り人。』

 小鳩の服が秋物変わっておりました。後半戦突入です。
 保育園で積み木の取り合いでケンカをしてしまった俊彦たち。小鳩は出勤前に見つけた立派なイチョウの木のある場所へ連れて行き、きれいに色付いたイチョウの落ち葉を使いお絵かきをすることを提案する。子供たちが楽しそうに落ち葉を拾っているところへ大人たちが現れ、このイチョウの木を切ることを告げられるた。小鳩はなんとかしようと走り回るのだったが、というお話でした。
 ・・・なんと申しますか、こうやって消えていってしまう「もの」への哀惜がらみのお話は堪えます。歳のせいですね(笑) 「あした来る日〜いちょうの木の下で.Ver」(@花澤香菜斉藤千和)がとても素晴らしい効果を醸し出しておりました。花澤さん、歌が上手くなっている?
 結果的にイチョウは寿命だったという「オチ」になっておりましたので、「人間の都合で消え去って行く命」のような面倒かつ深いところまでは言及しないで済みましたが、本来であればそこまで踏み込んでお話を構築していただきたかったところでございます。
 まあそれをやってしまいますと「宗教」ですとか「哲学」の領分まで行かないと駄目でしょうし、正味20分のアニメでそこまで出来るかという問題もあるでしょう。ただ「本質の欠片のようなものだけでも見せておけば、あとは子供たちが成長するに従い自分で考えれば良い事。この作品を観て何か感じてください」という姿勢は評価いたします。
 切り倒された(「朽ちた」が正しいのですが)イチョウを使って積み木を作っている藤本の行為に何かしらのフォローを求めてしまうのは、「イイ話」でお話を締めるアニメやら漫画やらを読みすぎた弊害ですね。謂わんとするところは理解しているのですが。