獣の奏者エリン 第41話『真王の真実』

 人の身では抗うことができないから運命なのか、運命だから人の身では如何ともし難いのか。そして運命は神のように崇められていた真王と呼ばれる地位にいる者にも等しく訪れる、神ではなく人だから。
 今回はそうした運命の無情さを嫌というほど感じさせてくれたお話でした。「もし」もう少しエリンとハルミヤの出会いが早かったら、「もし」ハルミヤがリョザ神王国の成り立ちを知ることができていたなら、いくつもの「もし」を飲み込んでハルミヤは崩御してしまいました。
 ハルミヤが崩れ落ちて行く時に彼女の無念さを表す言葉や表情が欲しかったと思いましたが、当スタッフは逆に「あっさり」描く事でそれを浮き彫りにする方を選択しておりました。うん、こちらの方がこの作品には相応しいですね。
 で、自分の人生さえも自由に出来ないまま死んでしまったハルミヤと、自分の生き方を決して曲げようとしないエリンの対照が今回の「肝」でしたね。その生き方の果てに何が待っているのでしょうか。う〜ん、広義でも狭義でも幸せになっていただきたいのですが、無理なのかなぁ・・・。
 このままだと「ハイジ」エンドじゃなくて「ネロ」エンドになっちゃわないかと心配です(笑)