獣の奏者エリン 第36話『卒舎ノ試し』

 18話の「教導師エサル」で始まったカザルム学舎編。もちろんここでの主題は「エリンとリラン」でございますが、一方で幼かったエリンの成長を描く物語であったと思います。子供の健やかな成長に必要なものは大人の理解と同年代の友だちかと存じます。
 本編を観ていて「ユーヤン」をはじめ多くの友人を得たことでエリンの心が強くなる過程を描いた何か大きなエピソードが欲しかったような気がしたのですが、エンディングを観ると結構多くの事があったんだなぁと思い出させられました。
 ドラマチックな展開ではなく、小さな小さな当たり前の出来事を積み重ねて友誼を表していたようです。長いシリーズの特性を活かした手法を度々見せられていたのに、すっかり忘れてしまっていた事に反省。良い最終回でした・・・、違いますね(笑)
 ひとり、またひとりと去って行く仲間と散って行く木の葉、最後のユーヤンが去った後の夕焼け。淡々としていて暗示的で、「ベタ」でしたが胸に染み入る良い演出だったと思います。
 こうやってエリンは出会いと別れを繰り返しながら成長して行くのでしょう。・・・ここから先に「出逢い」が用意されていれば良いのですが。あとは「別れ」だけのような気がするのは後ろ向き過ぎるかな?勘違いだと宜しいのですが・・・。
 ところで何故ユーヤンが関西弁を使うのか?という疑問に原作者自らが答えてくれておりました。
http://www.nhk.or.jp/anime-blog/0040/
・・・良い話ですね。
 次週はいよいよリランの出産のようですが、闘蛇が卵生でしたから王獣もそうだとばかり思っておりましたが、どうやら胎生のようです。おそらくこれにも何か意味があると思うのですが、詳細は次回を観てからのお楽しみということで。