大正野球娘。 第9話『誤解の多い料理店』

ああっ、小梅と三郎がラブラブに(笑)
 今回は小梅と家族の誤解から生じた笑いと三郎との可愛らしい純情、そして宿敵(?)朝香中学との対決へ向けての最後の難関のお話でした。
 ネット上だけで調べたので間違いもあるかもしれませんが、日本で男女共学が認められた(許可された?)のは1947年(昭和22年)に公布された「教育基本法」以後のことで、それ以前と申しますと

1891年(明治24年)の「学級編成等ニ関スル規則」によって「尋常小学校の1、2年だけを共学として、3年生以降は男女別学とし、男子と女子とでカリキュラムも教科書も全く別な物とすることが、各学校に公立、私立の区別なく義務付けられたのである。このため、戦前の日本には高等教育の男女共学校は存在しなかった」(Wikipedia@pediaの当該箇所の記述より)

らしいので、当然本作の舞台となっている大正14年(1925年)は男女別学でございます。何故こんなことを今頃調べたかと申しますと、やはりこの時代に男女が野球の試合をすることの困難さを確認するためでございます。
 以前も書きましたが、試合をする、それ自体はこの作品の出発地点でございますし、そこでどのような「嘘」をつかれようとそれは作者の自由な発想ですから何も問題はありません。一方で時代設定を大正14年にしたのですから、それを活かすエピソードがあって然るべきですし、このスタッフはどうやって見せてくれるのだろう?と考えておりました。
 この部分に関しては「類型的」なお話になっていてやや拍子抜けしたのは事実ですが、ここをクローズアップしてしまうと12回の枠に収まりませんので致し方なしですね。それにこのお話は「男尊女卑」を(少なくともアニメ版では)正面から取り上げる作品ではないでしょうからこれで十分かもしれません。
 誤解しながらお話が進行しそれで笑いを取るという手法は、どれくらい会話の辻褄が合っているかにかかっているのですが、まあ及第でしょうか。しかし正味20分の中に色々詰め込みますなー、感心いたします。
 今回の白眉は「小梅と三郎がハンカチ(この時代ですからハンケチかな?)越しに手を繋ぐ」ですね。14歳と20歳の恋、そして大正という時代に対してのイメージをたったワンカットで表現してみせた良いシーンでございました。