獣の奏者エリン 第35話『あたらしい命』

 カザルムに(身も心も)傷ついた王獣「エク」が運ばれてきた。エリンはいつものように心を開き接し、落ち着いたエクの体は急速に回復していった。やがて放牧されたエクはそこでリランと出逢い、二匹は恋に落ちるのだった、というお話でした。
 細かい話ですがエサル先生が「交尾」と言わずに「交合」と言った台詞に感心しました。「神聖な生き物」という設定を忘れていなければ当然なことなのですが、ついいつもの調子で脚本を書いてしまうとこういうところで「ミス」を犯してしまうものですが、このスタッフの気合の入り方が非常に嬉しいです。
 で、肝心の「交合シーン」ですが(笑)、イメージ処理では定評のある(本当かっ!)浜名監督自ら絵コンテを切っておられました。何と申しましょうか、アニメ作品で命の誕生を予感させる描写というものはあまり拝見したことがなく比較は難しいのですが、手塚作品に似たような描写があったように記憶しておりますが、直接的でありながら厭らしさの欠片も感じさせない上品かつ神々しいイメージ処理だったと思います。
 命が紡ぎだされる場面を見た事によってエリンの内側もまた変化、と言いますか強化されることになるのでしょう。次回以降は「守る命」としてのエリンの役割が重要になっていくような気がするのですが、どうなんでしょう。一週間が待ち遠しいです。