獣の奏者エリン 第33話『飛翔』

 リランの飛行訓練(兼馴致?)とキリクの暗躍から今後の恐ろしい展開を予感させたお話。
 「野生」であることに意味を見出していたエリンが人の事情を優先させるがあまり、リランの野生を見失ってしまうところが(多分)今回のキモだったでしょうか。あそこを観ていて「勉強しなさい」としか言わないガミガミお母さんを連想して苦笑いたしました。
 2話くらいかけてゆっくりとエリンとリランの葛藤や(自然に対する)希求が描けたのなら良かったのですが、今回は「経過時間」の描写に時間を割く余裕がなかったのか、この作品の良い所である「タメ」に若干不満を感じました。・・・本当に重箱の隅なのですが。
 仮に「タメ」があった場合は湖から飛び立つ白鳥を眺め、「自分も!」と羽ばたくリランにもっと感動したのだろうなぁと考えますと、「もったいない」と思わずにはおられません。が、この辺をアッサリと流すのも本作の仕様ですからね。
 そうしたところに拘らなくとも飛翔のシーンは爽快感がございました。なんでしょうね、「飛ぶ」シーンってこの作品に限らず本当にグッとくるものがございますが、本作の場合地上が「しがらみ」や「掟」に満ちており、そこからの解放としての意味が込められていると考えますと一層、ね。
 キリク。毒を入れた荷物の送り主を同梱された「花」から推理いたしますと・・・あの人しか思いつきません(笑)