大正野球娘。 第6話『球は広野を飛び回る』

 基礎練習も一段落しいよいよ本格的な野球練習かと思われたが、アンナ先生の一時離脱により方針転換。アンナ先生の「実戦に勝る練習はなし!」の掛け声の下、練習試合の相手を探す桜花会だったがどこの中学校からも相手にしてもらえない。そんな時小梅は街で見かけた小学生たちに声をかけ、試合にこぎ着けた。しかし小学生相手でも勝てない桜花会。乃枝はそれぞれの修正点を挙げて各人の成長を促すのだった、というお話でした。
 晶子は体力不足が弱点だし、巴はホームランの魔力(笑)に取り付かれているし、エースと四番がこの状態では勝てるわけないよなぁ(大笑)
 今回も大盛りな内容で大変楽しく視聴させていただきました。で、その面白さというものの大元はなんだろうかと少しだけ考えてみました。
 元々「女子が男子と野球で勝負する」といったやる前から結果の見えているお話ですし、しかも勝負を挑む「桜花会」の面々に男子を凌駕する身体能力があるわけでもありません(一部例外あり)。ここでこのお話を成立させるために考えられる事といたしましては「チート」という手段を用いる事でしょうか。
 走らせてみたらとてつもない俊足な選手、天才的な打撃センスを持つ選手、ありえないほどの速い球を投げる選手。・・・まあ、巴の打撃センスは完全に「反則レベル」ですし、雪と環の守備も「この短期間の成長としてはどうか?」(ただしこの二人は運動が万能という設定ですから「アリ」かもしれません)なのですが、ここまでのお話で通用しているのは小学生相手だからと言い訳もできると思います。
 結局「状況(作品世界と書いたほうが良いのかも?)の設定にはがあっても、細部(この場合はキャラクターの人としての能力)においては大嘘はついていないといった真摯なところがまず一点。
 次に成長過程が最低限描かれているということでしょうか。もちろんここには嘘がたくさん紛れ込んではおりますが、物語が所謂「スポ根」を志向しているとは思えませんのでリアルな練習や、それにまつわる様々な人間模様ですとか肉体の変化を詳細に描く必要があるとは思えません。
 必要な事は(彼女たちなりに)成長しているのだということが描けていれば十分なのでございます。そして依然として下手なまま(鏡子は相変わらず目測を誤っております)のプレーヤーもいる事でその成長も微々たる物であると「絵」で語っているところにも好感が持てるのであります。
 そしてそれらから導き出される答えとしての「野球って楽しいよね」でしょうか。本格的な野球の事ではなく、遠い昔に空き地や野原で遊んだ野球の楽しさ。彼女たちの奮闘振りを見ておりますとそれを思い出させていただくような気がいたします。
 あー、でもここで小梅の結婚話は必要か?必要なのか?おじさんは許しませんよ!(笑)