獣の奏者エリン 第28話『ジョウンの死』

 先週ジョウンとエリンが船で渡った河は、所謂「三途の川」だった事が…って、そんな伏線はいりませんからっ!(;;
 ジョウンの死の知らせを聞いたエリンは、悲しみを押し殺して日々を暮していた、というお話でした。
 悲しさに浸っていたいけれど、リランの世話や学ばなければいけないこと、なによりそうした自分の態度が周囲にいらぬ心配をかけることを配慮して、感情を決して表に出そうとしないエリンの描写が余計胸に迫ってまいりました。「頭の良い」「周囲を思いやる」というエリンの性格ですから、この反応は至極当然。一貫したキャラ設定の確かさを見せていただきました。
 悲しみを内に留めておけば押しつぶされてしまいます。そしてそれは決して個人の望むところではないはず。ですがエリンの性格では「感情の爆発」はありえない。ではどうするかという設問に対してのスタッフの答えがエサル先生とジョウンを偲ぶ旅で「爆発」させるのではなく「昇華」させる。素晴らしい。もう一度「お父さん」と呼ばせ、エリンの想いは永遠にその胸に刻まれたことでしょう。
 それにしても「お母さん」も「お父さんも」平凡に見取る事が出来なかったエリンの今後が非常に心配です。波乱万丈な生涯の幕開けの暗示なのでしょうかしら?