川の光

 「SAVE・THE・FUTURE」関連で「エコ説教」みたいな番組になるのではないかと危惧しておりましたが杞憂に終わったようでございます。まあ不満が全くないと書きますと嘘になるのですが、原作の持つ「雰囲気」は最低限描かれていたと思いますのでこれはこれで。
 ただこれは原作を読んでいる人間の感想で、全く初めてこの作品に触れた人が好意的に捉えてくれたかどうかは疑問も残ります。具体的には各エピソードが「淡白」であり、緊張感に欠けているところかもしれません。
 次から次へと襲い来る脅威、そこからの脱出と様々な「庇護者」との交流といったものがこの作品の醍醐味(あくまでも「読ませる」といった表面的なものではあります。作品の「底の底」にあるものとは無関係なのでしょうが)でありますから、そこが随分と「マイルド」な仕上げになっていたことが残念だったかもしれません。
 ですがこのアニメを観て原作を読んでみようと感じてくれた人がいるとしたら、それだけで成功だと思います。本来であれば30分13本位のシリーズ以上のボリュームのある内容ですから、75分で表現できるものはこれで精一杯だということでしょう。「喰い足りなかった」と感じた方は是非原作をお読みください。
 原作を読んでいた人へのボーナスとしてはラストシーンの追加だったでしょうか。蛇足といえば蛇足ですが、観たかった蛇足でしたので全く問題はありませんでした(笑)