東のエデン 第7話『ブラックスワン舞う』

 先週のような「おっさんの感傷」に訴求してくるよなお話ではございませんでしたが、朗と白鳥によるセレソン同士の「ゲーム」が楽しい(不謹慎ですね)エピソードでした。
 個人的にはああいったお話の方が好みだったりするのですが、かと言いましてもあれだけでシリーズ全てを構成するのも問題がございましょう。今回のような「派手な動き」のある「絵作り」もアニメ作品というバランスの上では重要でしょうから、これはこれで(笑) ただそうなりますと首都高のシーンはもう少し派手でもと、欲が出てくるのはどうしてでしょうか(笑)
 今回のお話の中で「ジュイス」はひとつのプログラムではなく、セレソンひとりひとりにカスタマイズされた人工知能なのだろうと推測。多分そうした情報をさり気なく提示するために朗と白鳥の対峙を用意したのでしょう。下手な作品ですとこれを台詞やナレーションで説明してしまうのでしょうが、(提示すべき情報を)無理なく自然に見せる、そしてそれを視聴者に感じさせないということは物語を語る上では重要なことだと思うのですが、最近はそこに頓着しない人が多い中さすが神山監督そんな下手は打ちません。
 そういうところまで気を配った作品が面白くないはずがございません! と、個人的に考えておる次第でございます。
 とは申しましても、今回のラストシーンで白鳥が何故イリュージョンを咲に見せて退場したのかの真意は不明。まああれですね、監督の意図したものを汲み取るには私の読解力が足りていない、と。今は分からなくとも考えていればいつかは分かる時がくるかもしれません。そういう楽しみも提供している作品のように思えてまいりました。