獣の奏者エリン 第18話『教導師エサル』

 国を覆う「不穏な空気」を描いていた前回から一転、今回はエリンの新しい暮らしの入り口と古い暮らしとの決別を描いたお話でした。
 出会い。教導師のエサルもまた立派な大人です。エリンは過酷な運命を生きるように定められておりますが、人には恵まれているようです。まあ創作物だし、というツッコミはともかくとして別の視点で見ると、この「リョザ神王国」には有能な人物がたくさんいるのだという風に見る事も出来る訳でございます。
 それはこの国のシステム(有能な人材の登用)が上手く機能していることの証拠でもあり、一方ジョウンが現場を去ることになった事件や、エサルが閑職にいる現状を見せる事でそのシステムに疲弊がきている事を表しているように感じました。・・・無駄な深読みですね(笑)
 「栴檀は双葉より芳しい」という諺もございますし、これまでのエリンを見ていた視聴者ならば彼女が試験に落ちるなどという事はありえないと知っておりますから、いかにして彼女の優秀さがこの試験で表されるかに注目しておりましたら
こうきましたか
と意表をつかれながらも感心させられました。上手いなぁ・・・。
 「学力」ではなく、その知識を使って何事を為すか、勉学という根本に視点を当てる見事な解釈でございました。こういうところを「サラッ」と仕上げるところが憎い!(笑) 改めて当作スタッフの力量に感心させられました。
 別れ。エリンにとっては「二度目」の別れでございます。母親とは性急で凄惨なそして永遠の別れでございましたが、「父親」とは想いを通わせて穏やかな別れが用意されておりました。この対比の影響がどこに出てくるのか今のところ不明ですが、必ずどこかで使われるのではないかと楽しみでございます。そしてそんな場面でも放屁して韜晦するジョウンに惚れた(笑)
 次週からは「学校編」です。これまで大人の中で暮していたエリンが、同世代の子供たちの中でどのような変化を見せてくれるのか、そしてどのような試練が待ち構えているのか、とても楽しみでございます。