タイタニア 第6話『シラクサ星域会戦』

 少し前に「銀河英雄伝説・わが征くは星の大海」を観たのですが、これは約20年前の作品でありますから若干の古さはございましたし、作品の内容等はともかくといたしまして手描きのアニメの限界(もちろん良い面もあるのですが)というものが見受けられた作品でございました。
 20年経って「色パカ」もなくクリアな画像と音声、戦闘シーンで多用できるCGが威力が発揮すると理想的な環境を手に入れたわけでございます。労働環境はともかくといたしまして、ですが。
 「ツール」が充実しているのですから、ここから先は「人間力」が問われるわけですが、う〜ん、こと戦闘シーンの「見せ方」に限っては20年前の作品の方に軍配を上げるかもしれません。一番の問題は迫力が足りないことでしょうか。CGの場合モデリングさえしておけば「グリグリ」動かせると(門外漢は)考えておりますから、そうであればカメラワークは自由自在であって当然、様々な角度から会戦シーンを演出して欲しかったのですが(勝手な)期待は裏切られてしまいました。
 それとあの描き方ですと「人の痛み」というものが全然伝わってまいりませんので、タイタニアに対する人々の「恨み」というものも空疎なものになってしまいます。折角「士官学校の学生も動員」という戦争に人の痛みを伝える格好の描写を挿入したというのに、実際の戦闘ではその彼らの生死も描くことなく終わってしまいました。
 「支配するもの」と「解放するもの」の戦いを描くのでしょうから、支配するものの「非道さ」「無情さ」をここで描いておけば後で効くのに、と制作陣の苦労も知らぬ門外漢は思うのでした(笑) 「金」と「時間」は有限ですから、CGだからといって無制限に何でも出来るわけでもございませんしね。でも描き方は「金」はいらないよね、と20年前の作品を思い出しながら考えるのでした。