テレパシー少女 蘭 第12話『蘭と三つ目の涙〜髑髏(どくろ)は知っていた〜』

 「歪んだ心を持つから化け物になる!」という至極真っ当なメッセージを外連味のない、いかにもNHK的な筋立てで仕上げてありました。こういうお話は真正面から描くことに「テレ」が入ることが多いですが、本スタッフは照れておりませんでした。そこは褒めたいものでございます。
 こういうテーマ(差別や憎悪)は入り組んでおりますから、一面的な解決方法が実は別の問題を生むというなかなか一筋縄ではいかないものでございますが、しかし何事においても「ひっかかり」というものは大事ですから、本作を観た子供たちの一部でも自分で考える一助になるなるといたしますと、それだけでも存在した理由になるのではと思いました。
 ただこうした問題を扱う場合、悲しみは大きいほど心を揺さぶり考えは深いところまで及ぶような気がいたしますので、もう少し霜月老人の悲しさを丁寧に描いた方がよかったかも、と思った事も事実です。・・・重くなりすぎる事を嫌っているのかもしれませんが。