COWBOY BEBOP『マッシュルーム・サンバ』『スピーク・ライク・ア・チャイルド』

『マッシュルーム・・・』こういうお話を観る度に、この作品の結末があんな風でなかったらと夢想してしまいます。そうであればもしかして続編が作られて、エドやアインの別の活躍も観る事が出来たかもしれなかったのに・・・、そんな事を考えてしまうのは各話で違った作風を見せてくれる楽しさがあったからだと思います。
今回はいつもはダラダラとしているエドがアクティブに動きまくり、当てになりそうもない他の仲間の分まで活躍するエピソードでした。ホント、いいキャラなんですよ、エドとアイン。映画では「子役と動物には敵わない」とか申しますが、本作でもエドとアインが出てきますと他のキャラが喰われまくりでございます。
『スピーク・・・』はフェイの過去のエピソード第2弾ですが、湿っぽくなりそうなお話をドタバタのコメディで味付けするあたり、スタッフの拘りが感じられる仕上がりでございます。ビデオマニアに「千葉繁」さんを起用しておりますが「シバシゲオ」や「メガネ」を彷彿とさせる演技で、そこだけでも笑ってしまいました。
ベータの事も語っておきたい所ですが、個人的な恨みが噴出しそうなので止めておきます(笑)
さて、様々な笑えるシーンを経たからこそ最後のシーンの寂しさは一層胸を打ちます。画面の向こうの若かった頃の自分、明るく屈託のない笑顔、無邪気なエール。「この日のあたしは、ずっとここからあなたを応援している」と言っている自分を憶えていない悲しさが伝わってくる良い脚本でございました。