COWBOY BEBOP『マイ・ファニー・ヴァレンタイン』『ブラック・ドッグ・セレナーデ』

『マイ・ファニー・・・』はフェイの過去のお話。一歩間違えると艶めかしいお話になりそうなところをギリギリの線で踏みとどまったのはスタッフの良識(?)でしょうか。フェイの自分の過去を取り戻したい切なく不安な気持ちは結局報われなかったのですが、スパイクの「どうでもいい事じゃないのか」「過去はどうあれ、未来はあるだろ?」の台詞の後で見せた良い笑顔は、そうしたものと決別できたと解釈してもよろしいのでしょうかしら。
次週放送分の『スピーク・ライク・ア・チャイルド』もフェイの過去のエピソードなのですが、この2つは入れ替えして同じ週に放送して欲しかったです。その方が「効果は抜群だ!」だったような気がしてなりません。
『ブラック・ドッグ・・・』はジェットのエピソード。単純にこのお話だけを切り出せば「渋い」お話で済むのですが、ジェットの過去話はSESSION10『ガニメデ慕情』で一度同じような切り口でしていますので、キャラの設定を無視した脚本は書けなかったのかもしれませんが、ここは意表を突いたエピソードを用意して欲しかったところでした。その辺が少し残念といえば残念。