アリソンとリリア『ワルターの戦い』

作品には満点の物はありませんが、零点の物も存在しないと思います。何かしら見るべきものはあると思うのですが、この作品の現時点での評価は限りなく赤点に近いというところです。まだ見捨てるようなことはいたしません!ええ、しませんとも!
しかし盛り上がりません。何故盛り上がりに欠けるのか推察するに、冒険物語に必須の「主人公に襲い掛かる困難」が無いためと思われます。小説であれば一冊の中に山あり谷ありの展開を織り込めますし、読む方は一日でその波乱万丈な物語を楽しむことも可能ですからそれほど気にならなかったりするのですが、アニメ番組の場合構成次第では「山」と「谷」が間延びすることがありますし(基本的に)続きは一週間待たなければなりません。よほど上手に構成しないと盛り上がりが欠けたままだらだらと回を重ねかねないのですが、本作はその悪い方に向かっているような印象でございます。
登場人物も主役二人のやりとりは楽しいのですが、他のキャラが今ひとつ生かされていないように思えます。今回物語を動かした「お爺さん」が退場したのですが、見せ方としてもう一盛り上がりあっても良かったと思いますし、お爺さんを連れ去った西側の軍人も悪役としての描写が不足しておりました。お爺さんと入れ替わりに「ベネディクト」が前に出てきましたので、とりあえず次回に期待いたします。