漫画賞について その三

講談社小学館共「漫画賞」の賞金は100万円なのですが、受賞者の顔ぶれは売れっ子の漫画家さんばかりですので、この賞金額はなかなか微妙な値段設定になっております。自社に多大な利益をもたらしてくれた「功労賞」としては少ないと思いますが、「お小遣い」であれば妥当な額かもしれません。
さて、この2社以外にも漫画賞を出しているところはあるのですが、傍からは「大人の事情」の乱立としか見えません。出版不況、漫画不況が叫ばれています昨今、この状態は決して好ましいとは思えません。各社横断的な「漫画賞」の一本化、賞金の高額化などで一般人に対する訴求力の向上が、形骸化しているように見える「漫画賞」の有効利用に思えるのですが、どうなのでしょうか。
ただ漫画家の、と申しましょうか「漫画界」のために「漫画賞」を利用するのであれば「(その年)最も優れた作品を発表した新人漫画作家」にこそ、こうした賞を与えて大々的に宣伝するべきだと思います。新人漫画家にはまだ出版社にさしたる功績はないのかもしれませんが、それだからこそ業界一体となって次代のエースを育てる賞を作って盛り上げることが必要ではないでしょうか。その際は出版社単独の賞ではなくて、利害を超えて協力することが必須だと思います。