トップをねらえ2!劇場版

絵も動きも洗練されて前作よりもパワーアップしているのですが、熱さという一点のおいて前作よりもパワーダウンしている印象を受けました。
考えてみれば前作が持っていた「熱」はスタッフ自体が若かったからこそ持ちえた訳でしょうし、歳を取ればその「熱」が失われてしまうのも仕方のないことなのでしょう。ただ歳を経た分「経験」が積み上げられておりますので、そこは交換なのでしょう。どちらが良いとは一概には言えません。
ノノが憧れる「ノノリリ」が前作の「タカヤノリコ」であることは早々に理解できましたが、絵柄や世界設定が違いすぎていたためパラレルワールドかとも思ったりしましたが、最期まで観ていて納得しました。そうですよね、あれから1万2千年後の世界なのですから地球が変わっていても何ら不思議はない訳でした。
ただSF色が強くなりすぎてキャラクターの「生身」を感じる部分が無くなってしまったのが残念でした。前作で人物の基本配置を「エースをねらえ!」に準拠して成立したのは生身の女の子という共通点があったからで、超能力者とアンドロイドならば違った関係を構築してもよろしかったと思います。なにもそこまで前作に拘る必要もなかったでしょうに。
昨日も「グレンラガン」のことを書きましたが、本作は前作より「グレン・・・」に近かったです。星を投げるところなんか番組を間違えたのではと思ったほど似てました(笑)ところどころノノの台詞が「グレン・・・」でも同じような台詞廻しがあったように記憶しておりますが、ノノ役が「福井裕佳梨」さんだったのでその感じも強くなったのかもしれません。
ラストシーンは・・・上手いです。前作はノリコ視点で終わっていましたが、私はあの時ノリコたちを迎えた地球ってどんな世界なのだろう、1万2千後知っている人など誰も居ない世界に帰ってきたノリコたちは幸せになれるのだろうかと、いらない心配をしてしまったのですが、その彼女たちを迎える地球視点のこのラストシーンで胸の支えがおりました。私にとってこれ以上ないくらいの最高の結末を用意してくれたスタッフには感謝いたします。