終末のイゼッタ 第12話『イゼッタ』

実際の第二次世界大戦を下敷きにしておりましたが、魔法を放り込んだことで世界は変わるのかと考えておりましたが、強大な力を求め、肥大した欲望の赴くまま破滅の縁を覗き込み、多くの犠牲を出しても新たな力を求める。結局人間は何も変わらないようでございます。
では何故魔法使いをこの物語の中心に据えたのかと考えますと、…救済なのかなぁ。
ゾフィーが辿った不幸をイゼッタに打ち消させる。二人の違いを浮かび上がらせることで、人間の救いを見せたかったのかもしれません。
もしゾフィーの傍にフィーネがいたのなら、ゾフィーは幸せな生涯を送ることが出来たでしょうし、人と「それ以外の力」はお互いを補完し合いながら進歩できたのかもしれませんしね。
…そうか、魔法とは科学の暗喩でしたか。
魔力は枯れたのかもしれませんが、人の欲望は枯れることなく。とすれば魔力に代わる「力」すなわち「科学」が次のイゼッタとして人々の前に現れるのは必至でございまして、その時私たちはフィーネとイゼッタのように幸せな関係を築けるのかどうかを問われたのかもしれません。
イゼッタは生き残りましたし、今後はフィーネとの隠遁生活を送れるのですから一応はハッピーエンド。
12話で語るべきことは全て語ったようで、これは最初から最後まで構成を考えられつオリジナルの強みですね。今後こうした企画が増えてくれると嬉しいのですが、それはまた別のお話でございます。
戦闘シーンの面白さもございましたし、作画も最低限の踏ん張りは見せてくれましたし、良い作品を提供してくれた藤森監督と全てのスタッフに感謝!