ジョーカー・ゲーム 第12話『XX ダブル・クロス』

田切回。
原作をかなり改変していたようでして、原作のあらすじを調べてみますと確かにスパイものとしては非情な内容で正統派。一方アニメのエピソードはかなり甘めな内容でございましたが、こちらはこちらで大変好ましい出来に仕上がっていたかと。
と申しますのも、今回が最終回でございますから「締め」が必要で、そこに最初のエピソードと対になる結城中佐の
「馬鹿か貴様、背広姿で敬礼する奴があるか?」
というセリフを持ってくるという構成が実に格好良い!
このセリフで締めたことで、この作品はアニメとして完成いたしましたし、数年経って内容を忘れて(笑)も「格好良い作品だった」と記憶されると確信いたしました。
初回は佐久間に対してスパイの心得を語ったのに対して、最終回のそれはスパイとして生きて行かないと決意し小田切から飛崎弘行へ戻った元部下への結城中佐の餞別としての言葉なのでしょう。
飛崎はスパイとして生きるには優しすぎたようですが、人間としてはそちらの方が正しいわけで、でも軍人としては長生きもできそうもございません。…本当に馬賊になった方が良かったかも(笑)
と云う事でシリーズ終了。
スパイの本来業務は情報収集でございまして、破壊活動は敵側に存在を知られてしまいますので下策。と言う事は戦争が始まってしまえば彼らの仕事は変質してしまうことでしょう。
それを結城中佐が許すとも考え難く、戦争開始と同時にD機関は姿を消してしまうような気がしておりまして、彼らの活躍はそこまでと考えますと、これ以降を描いても仕方ないのかもしれません。
…いや戦火をしたたかにくぐり抜ける姿を見たいような気も致しますが、それはまた別の物語ですね。
最近では珍しい華のない男ばかりの物語(笑)でございましたが、定期的にこういった作品を制作していただきたいものでございます。…腐のお姉さまたちにも受けると思うのですけどねぇ(笑)