放課後のプレアデス 第12話『渚にて』

最後のカケラを追いかけて宇宙の果てまでやって来たすばるたち。その最後のカケラは特異点内部にあって、というお話。
この作品を観終えた時、福耳の懐かしい(今から16年前の曲)「星のかけらを探しに行こう Again」を思い出しました。
冒頭が「今宵星のかけらを探しに行こう/舟はもう銀河に浮かんでる/願い忘れたことがあったから/もう一度向かい合わせで恋しよう」という歌詞なのですが、…この作品の世界を歌っていたような曲なので驚いた次第でございます。
と云ったどうでもいい話をしたのは
…胸一杯で何を書けばいいのか分からないから!(笑)
う〜ん、この感動を文字にした途端美しい物語が壊れてしまいそうな気がしておりますが、精一杯感想を書き残しておきましょう。
ついにカケラ集めは完了し、プレアデス星人は彼女たちの努力に対しささやかなお礼を残して去って行きました。
そのお礼は自分で「今」を選択できるというものでして、「今」に感じていた不平不満を一気に解消できるといった夢の様なご褒美でございました。でも彼女たちは変わらない「今」を選択。
状況を変えても自分は変えられない。であれば今を変えるよりも自分を変えることを選んだということでしょう。変えるといっても外からの力を借りるのではなく自分自身でという意味でございます。
それは特別な力が必要なのではなく。
「旅」から帰ってきたすばるは1話冒頭と同じ状況であおいと出会います。このすばるにはあの「旅」の記憶は残っておりませんが、あの渚で誓った気持ちだけは残っていたようで、一歩踏み出してあおいと会話いたしました。
今の先にだけ未来があり、未来を変えられるとしたら今変わらなければならない。
未来を変えるのはたったそれだけの事で十分、ほんの少しの勇気さえあれば彼女たちのような経験をしなくても誰にでも可能。これはその小さな決意の物語でございましたね。
冒険と勇気と友情と恋。
素敵なジュブナイルでございました。
ただ一人過酷な運命のままのみなとくんではございましたが、彼の元へすばるが駆けつけて来る日は必ずやってまいります。その時この物語は新しい未来の扉を開くのでしょうが、それは二人だけの物語、関係者以外は立入禁止!(笑)でございます。
その物語をSFマインド溢れる素晴らしい絵と見事な作画で支えきったGAINAXに拍手を送らせて頂きたいと思います。