グリザイアの果実 第十三話(終)『射界10センチ』

過去と向き合うべく天音は「あの場所」へ足を踏み入れ一姫のメッセージを読んだ。その頃バスケ部部長坂下の父親が由美子たちを人質に美浜学園に立て籠り、と云うお話。
予想以上に楽しませていただきまして、ゲーム原作のアニメ化は難しいという思い込みを払拭してくれました。
本来各女性キャラとの個別ルートで完結しているのではないかとゲーム未プレイのおじさんは考えるのですが、そこを上手く処理して全員と親密になりながら「ゆるやかな」ハーレムにとどめていた所がこの作品の一番感心した部分でございます。
それは多分雄二というキャラの熱くなりすぎず、それでいて無関心ではなく積極的に女の子たちの心を受け止めるといった姿勢が大きかったのかもしれません。
このキャラが居なかったならばこの作品は面白さの大部分を失っていたと思いますので、彼を創造した原作とアニメ化に際してそういう立ち位置を与えた制作スタッフの勝利でございますね。
女の子一人ひとりの過去はどれも悲惨なものでございましたが、尺がなかったことで駆け足処理され、それがいい方向に作用したようです。…普通は逆なんですけどね。
所々に挿入されるギャグ描写や女の子たちの軽いリアクションもこの作品を必要以上に暗く重たいものにしない効果がございまして、この辺もスタッフの腕の良さが光っておりました。
と云う事で雄二のハーレムは完成(笑)
これにて一巻の終わりと思っておりましたらまさかの次回予告が! 今度はどんな物語を見せてくれるのか今から楽しみでございますが、…BS11で放送してくれるんでしょうねぇ。