蟲師 続章 第十九話『泥の草』

自分の娘を殺されて(事故だったのですが)しまい、その告白を聞いて許さなくなり手にかけ。
さて弟が姪を死なせてしまったのは事故だったので情状酌量の余地はあったのかもしれませんが、その時点で隠蔽してしまったことが全ての始まりと考えますと、この弟の罪は重い。
でも罪を告白して兄に許しを請うた時兄には二つの選択肢があったわけですが、ここで彼は弟同様罪の隠蔽という最悪を選んでしまいました。
ただしここまでは因果応報と考えられなくもないのですが、因果応報を選んだ時点で彼の運命も決まっていたのかもしれません。
甥っ子が「許す」と言ったのに更なる罪を犯しそうになり川で死んでしまう。そしてその体は村人たちが眠る山に帰ることも許されないままという結末を迎えてしまいました。
気になったのはあの甥っ子も助けを求める叔父を見殺しにしたわけでして、因果は彼にも付きまとわないのかという点。
この物語の真の恐ろしさは語られないままのその部分にあるような気がしてならないのでございます。
終幕に向かって救いのない物語が多くなって来たような気がいたします。蟲のせいなどではなく全ては人間の業故なのでしょうけど。