まじもじるるも さの12(終)『るるものいない日』

年の瀬を迎え買い物に出かけた耕太とるるも。途中るるもがきれいな振り袖に見惚れているのを見た耕太はある計画を思いつくのだったが、というお話。
るるもを喜ばせたいという耕太の気持ちや、魔法によってるるもの記憶を封印されているにもかかわらず彼女の存在を朧気に気が付いていた処に、るるもが確実に自分の居場所をこちらの世界に作っていると表現されておりまして、そこがとても嬉しかった。
ただ時間切れで記憶が回復するのではなく、耕太が自力で思い出す展開でしたらもっと感動的だったとは思いましたが。
魔法少女ものを観ていて何処か切ない気持ちになるのは彼女たちの居場所は別の世界にあり、彼女たちがこの世界の住人達とどんなに親しくなったとしても最終的に別れが定められているからと考えております。
るるもに致しましてはこの定めからは逃れられないのだろうと考えておりまして、いずれは魔法世界へ帰って行くのでしょうし、今回のエピソードはその予行演習にも見えました。
帰る本人も辛いでしょうし、去られた人々も寂しいでしょう。そうならないために濃密な交流を避ければ良さそうなものですが決してそうはなりません。
なぜならその交流こそが魔法少女という形式を借りて創作者たちが描きたい異文化との交流なのですから。
ですのでその別れまで描いてこそこの作品は完結するわけでして、この段階でどんなに上手いこと幕を閉じてもおじさんは認めません!(笑)
始めはなかった居場所をるるもの頑張りと耕太のサポートで作ることに成功。今度はその居場所を守るための戦いが始まるはずでしょうから、是非このスタッフでそこを見せて頂きたいものでございます、…待ってます。