蟲師 続章 第七話『日照る雨』

日照りに悩む村に雨を告げて回る女のお話。
子供の好奇心が「逃げ水」を追いかけたことで始まる「不幸」が描かれていたのですが、照にとっては不幸でしょうし、過ぎた雨は村人たちにとっても同様。
でも雨がなければ人も作物も生きては行けないわけでございますし、照の根なしの暮らしも人々の喜ぶ顔を見ることができたのしょうから不幸ばかりではなかったはず。
作中ギンコが「めぐり合わせ」と語っておりましたが、まさにその通り。誰が悪いとかというお話ではございません。
この作品では自分ではどうにもできない物事が「蟲」によってもたらされますが、人が生きていれば蟲からもたらされるものとは比べ物にならない事態に直面することがございます。
その場合「悪意」というものも含まれることも多いわけでして、それがないだけまだ「蟲」の方がマシなのかもしれませんね。
照の中の蟲ももうすぐ寿命を迎えそうでして、蟲と別れた後で照が何を感じるのか。…それは観ている人が考える宿題のような気がしました。