魔法科高校の劣等生 第5話『入学編Ⅴ』

差別撤廃を訴える有志同盟が行動を開始、生徒会は公開討論で話し合うことを提案し会議が開催されたが、というお話。
能力には生まれ持った「差」があることは万人が知る処だと思います。スポーツの世界はその「差」が明確でございまして、努力したからといって誰もが田中将大になれるわけではございません。
ところがその他の方面になりますと途端に「平等」とか「差別」とか言い始めますが、どの分野でも「向き不向き」「分相応」があって当然ではないでしょうか。
この作品では分かりやすい「魔法」が俎上に上げられておりまして、これは本人の努力では乗り越えられない絶対的な存在の象徴のようでございます。
ですので「差別」ではなく「区別」が適切な表現なのですが、自分の主張こそが正しいと思い込んでしまう若人は周りを見よううともしませんし、むしろ自分たちの主張に同意しない者が悪であると断定してしまっていると。
柔軟性に欠けると碌なことがございません。
生徒会長の制度ではなく意識を変えましょうという提案は建設的であり本質をついているものでございましたが、さて血気にはやった若者たちにそれが通じるかは各人の考え方次第でしょうね。
そういった若者を利用しようとしている「大人」の存在を教えて、自分たちが利用されていただけにすぎないと知らせることが一番の薬かもしれません。
…小説であれば一言一句を噛み締めながら読み進む処でございましょうし、最大の見せ場なのかもしれませんが、実にアニメに向かない「動きの少ない」展開でございます(笑)