蟲師 続章 第四話『夜を撫でる手』

夜の山中でギンコが出会ったのは道具も使わず狩りをする辰という青年だった。彼は身内に「腐酒(ふき)」よいう蟲を宿していて、というお話。
今回は蟲、と言うよりはその力に魅入られた青年のお話でございましたが、この展開であればいくらギンコの助けがあろうとも辰は父親と同じく取り込まれて意識だけになり山中を彷徨う存在になったと思うのですが、片腕と引き換えに生還。
既に抜け出せないところ迄進んでいた彼が戻れたのは卯介という弟の存在がこの世とあの世を繋いでいてくれたのでございましょうね。
時に煩わしい存在であろうとも、その「重さ」が必要になる時もあるわけでして人は一人で生きるものではないという証拠でございましょう。
禍々しい力ではあるけれど、いえ禍々しいからこそ人は魅入られてしまうのかもしれませんで、蟲自体に悪意はなくても人が関わる危険性が今回も描かれておりました。