凪のあすから 第三話『海のいいつたえ』

地上の人間と付き合っていることが知られ村の大人たちから責められるあかりを見て、光はその男に制裁を加えようとするのだが、というお話。
この時代に「身分違いの恋」を作るのは中々難しいところがございまして、…製作者側が本気で踏み込む覚悟があるのなら宗教国籍出自と存在はしておりますが、ソレをやりだすと色々と面倒な作業が多くなりますからね。
その点アニメはどんな異様な設定も飲み込んでしまう媒体でございまして、陸と海の対立ではどこからも文句は付きませんので上手く逃げられる、と(笑)
その「対立」と申しましょうか「差別」そのものをテーマにするのであればスタッフも「逃げ」はしないでしょうけど、この作品は少年少女の淡い恋ですとか、大人たちの社会に対する違和感や適応を描いているように見えますので、本題と関係ないことで時間を取られる必要はございませんからね。
母親代わりのあかりの悲しみに触れて子供らしい義侠心から相手の男に向かったけれど、その男はそんなに悪いやつには見えなかった。そしてまなかの恋の相手の紡も悪いやつとは思えない。
光が陸の人間を悪く考えるのは周囲の大人たちから影響を受けているから(今のところは、ですが)に過ぎませんで、子供に変な先入観を与えてしまうのは大人の責任でございますね。
自分の目で見たことを信じる、今の光に必要なことはそれでございましょう。…陸の子供も光と同じように変な先入観を持っているはずですので、この先衝突は必至でしょうけど。
紡と海っ子たちはわだかまりを解消できましたが、住む世界の違いを乗り越えることが出来るのかが今後の焦点でございます。