たまゆら 〜もあぐれっしぶ〜 第12話(終)『そして…旅立ちの季節、なので』

父の誕生日を祝ったり、母と思い出の地を訪れたりしながら卒業式当日を迎えたお話。
愛用のカメラが故障して持ち歩けなくなっておりましたが、たまには「心のノート(笑)」だけに残す時間も必要なのかと。時として目に見える形の写真よりも強く記憶に残るでしょうから。
生まれて来たことだけでも奇跡なのだと楓の年代で知ることは貴重なことで、その奇跡に気がつけばありとあらゆるものに感謝したくなるでしょうし、世界の見え方もまた違って来るのでしょうけど…、おっさんは完全に時機を逸したなぁ(笑)
と云う事で第二シリーズは終了。
感受性の豊かな(豊か過ぎる?)時期の女の子たちのお話でございましたが、そこに描かれていたものは誰もが通ってきた道で、しかし気がつかないで通り過ぎてしまった人も多い出来事を丹念に拾い上げてくれておりました。
楓たちと同世代の視聴者であればまったく違った感想を持つのでしょうけど、おっさんはこの作品を視聴させていただいて「ああ、そんなこともあったな」ですとか「どうして彼女たちのように素直になれなかったのか」ですとか、懐かしさと後悔の入り混じった複雑な感情を抱かせていただきました。
かと申しましても単にノスタルジーに浸らせてくれるといった作品ではございませんで、幾つになっても感受性を磨き毎日を新しい気持ちで受け止めることの大切さを見せてくれた作品ではないでしょうか。
ひとつひとつの出来事はそれ自体に意味はないのかもしれませんが、受けとめる方が意味を見つければ意義も生まれるし、なにより世界はこんなに素晴らしいと感じることができる。そう考えさせてくれた作品でございました。
楓たちは三年生に進級いたしましたので、これは是が非でも最後の学生時代を描いていただきたいものでございます。その時が来るまでしばしのお別れでございます。