宇宙戦艦ヤマト2199 第8話『星に願いを』

デスラ―が送り込んだ「デスラ―魚雷」から現れた宇宙生命体はヤマトのエネルギーに反応して追いかけてきた。前には燃えさかる恒星、後ろには宇宙生命体とシュルツの戦艦の追尾によってヤマトは窮地に陥った、というお話。
細部のSF設定の修正にばかり感心しているわけではございませんで、出渕監督は(多分)シュルツに代表されるキャラの掘り下げの方に重点を置いているのかもしれません。
旧作ではガミラス側は地球を滅ぼそうとしている悪であり、倒されて行くガミラス兵に一片の同情もなかった(中盤くらいまで。だってドメル司令はカッコ良かったですし、最終的にデスラ―も、ね)のですが、このシュルツに二級市民設定と娘を想う父親という設定を加えただけで
あら不思議!(笑)
ガミラス内で出世する以外娘にいい暮らしをさせてあげることは出来ないのですから敵(地球側)に同情する暇はない、それが「区別」された軍人の唯一の道である。であればシュルツは立派な軍人でありまして、倒したからといって爽快感など感じることは出来ないのでございます。
…まぁ歳を取ったからそういう受け止め方をしてしまうのかもしれませんが。
SF設定も重要でございますが、このようにキャラの肉付けをすることで作品世界に奥行きが出てくるのですから、出渕監督もリメイクに際してこの辺に注意を払っているのではないかと考えた次第でございます。
「二級市民設定」がございますので、ガミラスの崩壊に「革命」の可能性もあるでしょうか? ヤマトの旅はまだ始まったばかりでございます。