変態王子と笑わない猫。 第1話『変態さんと笑わない猫』

怪しい笑わない猫像にお願いをしたことで「建て前」と喜怒哀楽の「感情」を失くしてしまった横寺陽人と筒隠月子のドタバタコメディ。
失くしたと書きましたが、厳密には誰か他の人間に譲ったわけでその「ギフト」(笑)は消え去った訳でございませんので奪還可能なんでしょうね。作品は取り戻す過程を面白おかしく、時にしんみりとしたエピソードを積み重ねるのだろうと予想。
生きているうえで本音剥き出しでは行き難く、建て前は潤滑油の役目も持っているのでございますが、失うまでその事に気が付かない。感情表現を失うと云う事も同じでございまして、平時においてそれはウザったく思えたとしても「人」として集団の中で生きて行く上で立派なコミュニケーション手段でございますから。
この状況をシリアスな物語に使えばなかなか面白く複雑なお話になりそうですし、人間の本質まで迫れそうな気もいたしますが本作はコメディとして活用。個人的には陽人の本音がダダ漏れても構わないような気も致しましたが、まだ初回ですのでこの先に期待することにいたします。
本作の原作は小説らしいのですが、感情表現が無くなった月子の喋り方を聴いておりますと、小倉唯さんの声質とも相まってアニメ向きな作品かと。文字の上での月子より生き生き(?)としているような気が致します。