琴浦さん #7『この世界に私は』

前半は帰省した春香が友だちと楽しそうにしている様を眺めている母親のお話、後半は春香の誕生日を内緒で準備した真鍋のお話。
人は成長する、まして何も知らない子供時代にしたことに対して春香に責任はないのですが、その傷ついた心を抱えながらも成長している春香が健気で悲しい。本来子供を守ってあげなければならない大人に突き放されたあとの春香の心情を考えますとさらに悲しい。
それでも人は成長するわけですが、正しく成長するためには栄養が必要でございまして、…真鍋はいい栄養ですなぁ。
いいえ、真鍋だけでなく百合子も室戸もヒヨリさえも今は春香に不可欠な栄養でございます。今はこれだけで十分でしょうが、もっと多くの栄養が春香の周りに集まって来てくれるといいのですが。
…コメディ仕立てなのですが、作品の根底に流れているものがドシリアスだけに笑ってばかりもいられない処がこの作品の恐ろしいところでございます。
作品の終了時に琴浦さんが幸せに笑ってくれると思いますが、太田監督が黒いか白いかがその時判明いたします(笑)