氷菓 #21『手作りチョコレート事件』

里志へ贈るために部室に置いた摩耶花のバレンタインチョコレートがなくなった、というお話。
今回は冒頭から「犯人」は分かっておりましたのでミステリとしてはそれほどでもございませんでしたが、サスペンスとしてはなかなか秀逸でございました。
追いつめる側と追いつめられる側の心理状態が、寒々とした冬景色と共に見事に描かれていたかと。
…まあ全ては里志が悪いだけなんですけどね(笑)
でも誰かと付き合うと云う事を真剣に考えているからのあの態度でございまして、そういった点では里志に好感は感じたのですが、…摩耶花のような女の子に想われて何が不満なのだと!
やはり痴話喧嘩に巻き込まれた奉太郎は里志を殴ってもいいと思いましたよ(笑)
シリアスな男子パートと並行した女子パートのたくましさで作品のバランスを取っていたのも見事でございました。そうなんですよね、女の子は本当に逞しい(笑)