戦国コレクション COLLECTION 18『Four Leaves』

四ツ葉・大谷吉継回。
元ネタは「ダンサー・イン・ザ・ダーク」で、モチーフは「チャーリング・クロス84番地」「メアリー&マックス」だそうですが、残念なことに全部観ておりません。…いや、せめて「ダンサー」くらいは観ておこうよって話なんですけどね(笑)
まず常に新しい事に挑戦しようという監督の意志と、それに応えた美術スタッフに拍手。この寒々しいストーリーに相応しい背景美術は見事でございました。
普通のアニメですとこういったエピソード毎に何かを変えるというのは難しいと思いますが、「何でもあり」の本作ならでは挑戦だったかと。
そしてBGMを徹底して排除したことで吉継の孤独な心を表現していた演出も同様に拍手を贈りたいと思います。
お話はなぁ…、こういった救いのないお話はどうにも好きになれないのですが、ではこのお話には本当に救いがなかったかと云えば…。
エンジェルと知り合うまでの吉継は本当に孤独でございましたし、それはエンジェルも同様。いや、自ら命を絶とうとしていただけエンジェルの絶望は方が大きかったかもしれません。その二人が偶然に導かれ知り合い、生きる希望を見つけたのですから不幸だった訳はございません。
結局二人は顔を合わせる事無く永遠の別れを迎えることになってしまいましたが、本当の不幸とは誰とも繋がらないで消えてしまう事だと考えれば、少なくとも彼女たちは「本当の友人」を得ることに成功していたのですから不幸なわけはございません。
エンジェルは吉継との対面を夢見ながら逝ったのでしょうし、吉継の心の中には永遠にエンジェルが居るのですからこれがバットエンドなわけはございません。ええ、断じて不幸なんかじゃありませんとも! …と無理矢理考えて己の心を納得させております(笑)
それにしてもエピソード毎の「振れ幅」が大きすぎまして、油断も隙もあったもんじゃございませんね!(笑)