ZETMAN  第13話(終)『葬列』

…色々あっておしまい、と。
この前「ダークナイト」の地上波放送を視聴したんですよ、…その前にレンタルで視聴はしていたんですけどね。
作品内容については色々と思う事はあったのですが、あの内容を2時間弱の枠の中によく収めたなぁと感心したことは事実でございます。
2時間弱といえば、今のアニメの本編が正味20分だとすればおおよそ6本分でございまして、1クールアニメだとしてもシリーズ半分であのくらいは描けるということでございます。
勿論連続する2時間と分割してある2時間では、経過時間は同じでも構成自体が全く違いますので同列には語れないことは承知。でも細切れの時間しか確保できないテレビアニメはその分長い時間を確保しているのですから、使い方によっては映画より濃厚な内容を語ることは可能ではないかと考えます。
本作のテーマは「善と悪」だったようですが、この問答を展開するにしては焦点がぼやけ過ぎていたように感じられました。
本来であればジンと高雅の「正義」と「悪」は同じではなく、だからそれをどう乗り越えるのかが本作最大の見せ場だろうとおっさんは考えていたのですが、その為のパーツ配置が適切だったかと考えますと、正直あまり上手くなかったように見えました。
いや、パーツ配置というよりも「尺」の問題だったかもしれませんが、予め「尺」は決まっていたのでしょうからやはり構成の問題のような気も致しますし、しかし登場人物は最低限だったように思えるのでやはり「尺」の問題なのか…。
ダークナイト」ではバットマンとジョーカーと検事の三人の善悪に集約させて無駄をそぎ落としておりまして、本作もそれくらい思い切った再構築が出来ていれば「尺」にも余裕ができたのかもしれません。
とまあ物語といたしましては消化不良気味だったのですが、作画やレイアウトを始めキャラデも含めて「画」は最近の「トムス」としては実に好みの作品でございまして、であるからこそ「惜しい!」という思いが強くなってしまうのでした。