Fate/Zero 第十九話『正義の在処』

切嗣の過去話、第二夜。
多くの人たちを救いたいと願っているだけなのに、結果はその正反対のものでしかなく、自分を育ててくれた人までその手で死なせなければならなくなった、と。
以前「世界の平和」とセイバーに語っておりましたが、多分切嗣自身がそんなことを信じていないのだろうと考えておりましたし、あれは世界に対する「呪詛」の裏返しではないかとも考えておりましたが、こういうお話を見せられますと「そりゃ世界を呪いたくなりますよね」と納得させられてしまいます。
守りたいと願っても叶わず、救いたい人をその手にかける。そんな非情の世界でしかないのなら「聖杯」を使って壊したいと願ったとしても誰が彼を責められるでしょうか。…ヒドイ話を作るなぁ、虚淵さん。
唯一の救いはナタリアが最期の瞬間に浮かべた「笑み」でございまして、あれは自分が育てた切嗣が判断を間違えないまでに成長を確認できたことへの「喜び」だったのでしょうね。
もっとも残された切嗣はそれを知る事はできなかったので、切嗣にとっては救いでも何でもないのですが。…でもナタリアならそうすると考えたから切嗣は爆破したのでしょうし…、でも自分の手で殺してしまった事実は消えないのだから同じことか。
救いのない世界が続きます。