咲-Saki-阿知賀編 episode of side-A 第1局『邂逅』

咲-saki-」の前段とでも申しましょうか、あの世界で頂点を目指す別の女の子たちのもうひとつの物語。
前シリーズは原作追いついてしまった事、なかなか進行しなかった事、GONZOがなくなった(笑)事もございまして続編は望み薄でございましたが、スピンオフとは申せめでたく再開でございます。
制作は当時の「GONZO第5スタジオ」から「Studio5組」と変わりましたが実質変わってなさそうですし、監督を小野学さん、構成・脚本を浦畑達彦が引き続き担当して下さるのも嬉しゅうございます。
初回は「高鴨穏乃(たかかも・しずの)」「新子憧(あたらし・あこ)」「松実玄(まつみ・くろ)」の三人によって阿知賀女子学院の麻雀部が復活するまでのお話。花村和ともう一度遊ぶためという動機が楽しい。
この作品が好きな理由はとにかくこの楽しさが前面に出ているからでございまして、これが何も変わっていない事がまた嬉しい。
麻雀という競技は単純に技術だけでは勝てないという処が不思議な競技でございまして、配牌から上がり手を見通す構成力、相手の待ちを見抜く洞察力などは技量の差が出るのですが、それで毎回勝てるかと云えば然に非ず。
もちろん長く打てばその差は確実につくのですが、半荘数回のような短期勝負ですと場の空気ですとか、流れといった偶然が強く働く場合も多々ございまして、…そこがまた楽しかったりするのですがね。
この作品はその「偶然」を多少(「かなり」かw)誇張して描いておりますが、その外連味あふれる演出がギャンブルとしての麻雀をその枠から解放しているのではないでしょうか。
少女たちが「明日」を目指して走るアニメは本当に楽しゅうございます。