未来日記 #26(終)『初期化』

「1周目」の由乃が自殺し「2周目」の雪輝が神になったお話。
全ては1周目の由乃が満足しなかったところから始まった「ゲーム」でございましたが、「2周目」の雪輝が由乃を止めたことで「3周目」に人々は幸せに暮らせたということなんでしょうね、「2周目」の住人でありながら「3周目」に残ったみねね以外は誰もそのことを憶えていないようですが。
この多層世界といったアイデア自体は目新しいものではございませんし、この「オチ」も取り立てて感銘を受けるというものでもございませんでした。この作品から敢えて何かを学び取ろうとするならば「人生やり直しはきかない」ということでございましょうか。
まあそういったことはともかく。
この作品の中心はやはり雪輝と由乃の愛の物語だったと思うのですよ。
「2周目」の雪輝の家庭も決して幸せな家庭ではございませんでしたし、それは由乃も同じ。満たされない心を埋める愛情を探した旅だったと見えなくもございません。…まあでも「取って付けた感」はあったのですけどね(笑)
どうしても「ゲーム」の方の描写が多くなり過ぎまして、肝心の「愛」の部分がぼやけてしまったのが惜しかったかな?と。
望んだこととはいえ、世界を守るためにひとりきり(ムルムル2号はおりましたが)の空間で絶望に沈む雪輝に(文字通り)一筋の希望が与えられましたが、ここも「いかにも」でございまして、そこに至る「救い」の過程が描かれませんと納得するのは難しいですね。
「つかみ」として利用したバイオレンスな描写は上手かったのですが、全体としてそちらに引っ張られ過ぎた感がございまして、どこかで軌道修正できていたならと考えてしまいました。
「ニコ動」のエンドカードは「オチ」として本編の最後より素晴らしかったです(笑)