ギルティクラウン phase17『革命-exodus-』

取り出したヴォイドが壊れると取り出された人間も死ぬことを知ったシュウは、その恐怖から逃れるように「仲間」を力で抑え込んでいた。その背後で進行する「計画」を知る事もなく。そしてレッドラインからの脱出に成功したその瞬間シュウの王国は崩壊、さらにその場に予想もしていなかった人物が現れて、というお話。
前回が王としてのシュウの振る舞いを描いておりましたが、今回はそれに対しての支配される側の振る舞いが描かれておりましたでしょうか、…恐怖はある一点を超えた時憎悪に変わるとでも申しましょうか。
これまでのシュウの主人公らしからぬ自信のなさがここで活きていた訳でございまして、こういった立場に立たなければならなかったからこそシュウはシュウだったようでございます。何をするにしても付きまとっていた「甘さ」が命取りになってしまった、と。
…逆説ではございますが、仮にルルーシュのように強固な意志を持って立ち上がっていたら到底たどり着けなかった地平でございますね。
ここ数回のエピソードは実に私好みの嫌なお話(笑)でございまして、媚びる者、権力を笠に着る者、目的のためなら自分の体も利用する者と、極限状態における実に醜く人間らしい描写でございました。
惜しむらくはその「エゴ」をもっと丁寧かつ詳細に描いて頂きたかったのですが、それでなくてもあまり評判のよろしくない本作でこれ以上こういった描写をネチネチと続けますと営業的にも拙いでしょうから仕方ないか(笑)
で。
こうしたエピソードが単に「面白そうだから」という役割で挿入されたのではなく、この物語が完結した時に活きるような、シュウが手に入れる「もの」に結びつくような結末を期待したいものでございます。