へうげもの 第三十六話『本命はお前だ』

秀長の死で内政の実権を握った三成は大徳寺の利休像を問題視、これを口実に利休を追い込んで行く。一方利休は秀吉を亡き者にしてその後を家康に託すことに。双方の抗争は最終段階に向かって行った、というお話。
歴史ものの場合、大まかなアウトラインというものは既に知られておりますので、そこを面白く見せるのは作者の視点ですとか、歴史上の人物にどうやって新たな血肉を付けるかにかかっております。
利休に「ハードボイルド属性」を加味した処が本作最大の面白味ではございますが、一方その対比として飄々と生きている左介の存在も重要な要素なのだなぁと考えております。
利休サイドが煮詰まって来れば来るほど左介の存在感も増す…、はずなのですが、もうそこに時間を割く余裕はなさそうでございました(笑)
家康と利休の会話シーンなどのレイアウトや光と影の使い方などは緊張感あふれる場面でございましたが、だからこそ左介の明るいシーンがもっと欲しいなぁと感じた次第でございます。